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令和 4年 3月定例会本会議−03月08日-03号

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  1. 長岡市議会 2022-03-08
    令和 4年 3月定例会本会議−03月08日-03号


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    令和 4年 3月定例会本会議−03月08日-03号令和 4年 3月定例会本会議  令和4年3月8日          ────────────────────────     議 事 日 程  第3号      令和4年3月8日(火曜日)午後1時開議 第1 会議録署名議員の指名について 第2 市政に対する一般質問(4人)          ──────────────────────── 〇本日の会議に付した事件                           ページ 日程第1 会議録署名議員の指名について………………………………………………………52 日程第2 市政に対する一般質問(続)  1 国道289号八十里越の開通に向けた取組について(多田光輝君)…………………52  2 スポーツによるまちづくりについて    除雪作業時の安全対策について(大竹雅春君)…………………………………………57  3 支所地域の今後のまちづくりについて    耕作放棄地対策と今後長岡市が目指す持続可能な農業について(五十嵐良一君)…63  4 一人も置き去りにしないデジタル社会の構築について    3歳児健診における視力検査について(中村耕一君)…………………………………70          ────────────※───────────
    〇出席議員(32人)         多 田 光 輝 君        神 林 克 彦 君         豊 田   朗 君        諏 佐 武 史 君         松 野 憲一郎 君        深 見 太 朗 君         池 田 明 弘 君        荒 木 法 子 君         田 中 茂 樹 君        大 竹 雅 春 君         池 田 和 幸 君        五十嵐 良 一 君         加 藤 尚 登 君        関   充 夫 君         杵 渕 俊 久 君        中 村 耕 一 君         丸 山 広 司 君        長谷川 一 作 君         藤 井 達 徳 君        諸 橋 虎 雄 君         丸 山 勝 総 君        古川原 直 人 君         桑 原   望 君        関   正 史 君         松 井 一 男 君        水 科 三 郎 君         笠 井 則 雄 君        関   貴 志 君         酒 井 正 春 君        高 野 正 義 君         五 井 文 雄 君        小坂井 和 夫 君          ──────────────────────── 〇欠席議員(1人)         山 田 省 吾 君          ──────────────────────── 〇欠員(1人)          ────────────※─────────── 〇説明のため出席した者   市長      磯 田 達 伸 君    副市長     高 見 真 二 君   副市長     大 滝   靖 君    教育長     金 澤 俊 道 君   政策監兼危機管理監            地域政策監   渡 邉 則 道 君           野 口 和 弘 君   総務部長    近 藤 信 行 君    財務部長    小 嶋 洋 一 君   地域振興戦略部長渡 邉 一 浩 君    市民協働推進部長茂田井 裕 子 君   観光・交流部長 伊 藤 美 彦 君    農林水産部長  北 村 清 隆 君   都市整備部長  若 月 和 浩 君    土木部長    中 川 信 行 君   子ども未来部長 水 島 幸 枝 君   代表監査委員  阿 部 隆 夫 君          ────────────※─────────── 〇職務のため出席した事務局職員   事務局長    小 池 隆 宏 君    課長      山 田 あゆみ 君   課長補佐    宮 島 和 広 君    議事係長    木 村 圭 介 君          ────────────※───────────   午後1時開議 ○議長(松井一男君) これより本日の会議を開きます。          ────────────※─────────── ○議長(松井一男君) なお、報道関係者から写真撮影の申出がありましたため、傍聴規則に基づいて議長においてこれを許可いたしましたので、御了承願います。          ────────────※─────────── △日程第1 会議録署名議員の指名について ○議長(松井一男君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において高野正義議員及び五井文雄議員を指名いたします。          ────────────※─────────── △日程第2 市政に対する一般質問(続) ○議長(松井一男君) 日程第2、市政に対する一般質問を行います。  昨日に引き続き、通告順により発言を許します。          ──────────────────────── △質問項目  国道289号八十里越の開通に向けた取組について ○議長(松井一男君) 国道289号八十里越の開通に向けた取組について、多田光輝議員。   〔多田光輝君登壇〕 ◆多田光輝君 市民クラブ多田光輝です。通告に従い、国道289号八十里越の開通に向けた取組について、一括質問方式にて質問をさせていただきます。  国道289号は、昭和45年に国道として認定された新潟県新潟市を起点として福島県いわき市に至る総延長304キロメートルの道路です。このうち三条市旧下田村から福島県只見町に至る県境部分が八十里越であり、実際の距離は8里しかないのですが、あまりの険しさゆえに1里が10里にも感じられたことから、八十里越と呼ばれておるようです。このうち新潟県、福島県の県境部の現道区間は19.1キロメートルが通行不能区間となっており、大幅な迂回を強いられています。さらに、冬期間は国道252号、通称六十里越への新潟県、福島県の県境部が冬期通行不能となり、磐越自動車道経由のさらに大きな迂回が発生している状況です。不通区間の八十里越の計画区間は国の直轄権限代行で、昭和61年度に事業化され、平成元年度から工事が始まりました。この工事は、国、新潟県、福島県が区間を分けて工事を進めており、全体事業費は695億円で、険しい山や谷に囲まれているために、トンネル11か所、橋8か所と難工事が多く、また冬期間は雪に閉ざされ、工事は4月から11月に限られ、長い時間がかかっておりました。昨年6月、長岡市議会建設委員会において、工事の進捗率は9割程度と順調に進んでいることを確認しています。また、国土交通省北陸地方整備局は、昨年4月に今後5年程度で全線開通との見通しを初めて示しています。この八十里越の整備により通行不能区間が解消され、三条市から只見町までの区間の所要時間が約50%短縮される予定です。長岡市においても、国道252号の現行ルートより短時間で福島県側に抜けられることは間違いなく、通るルートを選定、道路改良を行えば大幅にその時間を短縮できると思われます。また、災害時には、栃尾地域を通り、年間を通して関東圏に避難できる大きな役割が期待されています。長岡国道事務所の資料では、救命救急医療が不足している南会津地域高度医療機能を有する医療機関への所要時間の短縮が示され、三条地域に建設予定の県央基幹病院へのアクセス向上に加え、三次救急病院である長岡赤十字病院を含む救命救急体制の向上も期待されており、多方面において本道路と長岡市及び中越地域へのアクセスには親和性が高いと受け止めております。  一方、歴史的には、小国地域とゆかりのある以仁王の八十里越伝説から、16世紀には上杉謙信が諸国漫遊の折、栃尾に帰る際に通ったとされ、越後を会津地域と結び、人や物の交流面で役割を果たしてきました。また、幕末には、戊辰戦争で新政府軍と戦った長岡藩の家老、河井継之助らが敗れて今の只見町に逃げる際に通った物語は司馬遼太郎の「峠」にも描かれ、観光や産業、救急医療などの様々な目的において歴史的なつながりが証明しているように、長岡の存在が重要な位置づけになることが期待されております。そこで、国道289号八十里越開通に向けた取組について、道路行政観光行政の両面から質問をさせていただきます。  初めに、事業の進捗に係る長岡市における取組について伺わせていただきます。長岡市では、長岡市及び中越地域全体の発展を図るため、平成31年に開府400年を契機として長岡版広域道路ビジョンを策定されました。これは、長期的かつ広域的な視点で策定されたと認識しておりますが、本ビジョンにおける国道289号八十里越の位置づけについて、長岡市のお考えをお聞かせください。  また、長岡市は一昨年、新潟県、福島県ほか関係市町村が組織する国道289号線建設期成同盟会に入会されました。本期成同盟会は、福島県側の南会津と白川を結ぶ甲子道路の建設や八十里越の建設に多くの役割を担っているとお聞きしております。そこで、国道289号線建設期成同盟会への入会の目的と取組についてお聞かせください。  次に、国道289号と長岡市を接続する道路の整備についてお聞かせください。八十里越の開通は、長岡市にとっても様々な視点で大きな効果をもたらすものと考えております。効果を最大限発揮させ、本市の発展につなげるためには、国道289号につながる道路ネットワークをしっかり構築し、長岡市に訪れやすい道路環境の整備が必要と考えています。この中で、長岡市の玄関口となる栃尾地域までの接続として、新たなバイパスの整備や県道栃尾巻線や国道289号などの現道の改良をするなど、取組を進めていく必要があると考えています。また、栃尾地域のみならず、長岡市や中越地域全体の多重性を考えると、長岡市中心部から栃尾地域を経由し、八十里越につながる国道351号は防災面でも重要であることから、災害時に活用できる待避所の設置などが必要であると考えておりますが、市のお考えについてお聞かせください。  次に、八十里越の開通に向けての観光戦略に関してお聞きいたします。一昨年の秋に市民クラブでは工事区間を実際に通行し、只見町まで抜けるルートを視察してまいりました。区間では長岡国道事務所の職員の方が同乗し、ヘルメットを着用しての見学でした。急峻な渓谷の中に突如現れる巨大な橋桁は壮観な眺めで、一般道が通っていなかった区間であったため、多くの重機などを使うトンネル工事などは困難を想像させるものでした。ちょうど紅葉が始まっており、旧下田村の自然、只見ユネスコエコパークをはじめとする癒しの森や恵みの森を通行するこのルートは、開通の際には観光道路としてのポテンシャルを秘めていると感じました。通行時間に関しても、帰りには只見町から栃尾地域への田子倉ダム六十里越経由のルートで戻ってまいりましたが、時間的にも大幅に短縮できるものと実感いたしました。先ほども申し上げましたが、この八十里越は司馬遼太郎原作の映画「峠」の舞台になっております。残念ながら映画は新型コロナウイルス感染症の影響により公開を延期しておりますが、いよいよ今年上映されるということで、これを契機に河井継之助ゆかりの地である長岡市、只見町の2地域だけでなく、八十里越にも注目が集まると思われます。また、両地域には、映画の主人公である河井継之助の記念館が設置されております。両館は、平成30年の戊辰戦争150年の節目の年に連携し、事業を開催するなど、現在も交流が続いているとお聞きしております。そこで、これらの背景を踏まえ、映画「峠」の封切りを控えた今、河井継之助を軸とした観光戦略に取り組むべきと考えますが、市のお考えをお聞かせください。  次に、映画「峠」に関連した新たな観光ルートの検討についてお聞かせください。映画の公開を契機とした観光戦略の1つとして、観光誘客を図る新たな観光ルートの設定が必要であると考えます。そして、そのルートの設定は、様々な地域を周遊観光するルートであるべきとも考えます。例えば栃尾地域は、皆さん御存じのとおり、河井継之助の従者であった外山脩造の出身地であります。河井継之助に近く身分制度がなくなる時代が来るから、これからは商人になれと伝えられ、後に外山脩造はこの言葉に従って商人となり、日本の発展を担った有力実業家の1人として活躍いたしました。こういった映画に関連する地域や、そのほか長岡市にとって重要な観光地である寺泊地域山古志地域などへの観光ルートを設定する必要があると考えます。今回の映画をきっかけにそのお考えがあるかお聞かせください。  次に、道の駅の活用についてお聞きします。只見町側からの玄関口に当たる栃尾地域には、道の駅ルート290とちおがありますし、一昨年に開業した道の駅ながおか花火館のほか、道の駅良寛の里わしま、道の駅越後川口あぐりの里と市内には4つの道の駅があり、年間集客数は合計200万人以上で、各地域の経済にも大きく貢献しております。「峠」の公開をきっかけにさらに多くの方が長岡市を訪れることが予想されますので、道の駅を中心に市内を周遊してもらえるような企画をお考えになられているのかお聞かせください。  最後に、地域間交流についてお伺いいたします。八十里越開通の際には、北関東、会津方面への広域的なルートの設定が可能となるわけです。交流人口拡大を目指す長岡市にとっては、絶好のチャンスと考えます。栃尾地域のNPOでは、開通を見据えた中、只見町と交流を行っておったり、越路神谷地域では神谷出身で明治時代の企業家の高橋九郎が取り持つ縁で檜枝岐村との交流を行っており、このように市民間では多方面で草の根連携を行っております。また、長岡版道路広域ビジョンのシンポジウムに参加されていた会津若松商工会議所の会頭から、長岡との連携を国・県に合同で要望を上げていただきたいと呼びかけがあったともお聞きしております。数年後の開通を見据えた中で、福島県側との交流、連携を歴史的なつながりのある長岡市が率先していかなければならないと感じます。長岡市のお考えをお聞かせください。  昨年11月に新潟県の花角知事は八十里越の工事現場を視察し、広域観光周遊ルートができ、経済的交流は大きなインパクトがあると期待を持たれたとの報道に触れました。40年もの長きにわたるこの工事が完成を見る中で、四方を山に囲まれた栃尾地域でも年間を通して直接関東、太平洋方面へ行き来できるこの八十里越に対し、大きな期待を抱いております。必ずや長岡圏域広くに利益をもたらすと信じております。今後は、本道路を有効活用したインフラ計画観光戦略産業振興計画を明確に描き、その実現に向けて取組を進めていただくようお願いし、質問を終わらせていただきます。 ○議長(松井一男君) 磯田市長。   〔市長磯田達伸君登壇〕 ◎市長(磯田達伸君) ただいまの多田議員の御質問にお答えいたします。私からは、国道289号と長岡市を接続する道路の整備、そして観光戦略についてお答え申し上げたいと思います。  御指摘にありましたように、八十里越は本当に大変重要な役割を果たしてきた道路であります。そして、新たな八十里越の開通を数年後に控えているということであります。国道289号から長岡市へ接続する道路の整備あるいは観光戦略の検討は、非常に大切な課題であると考えているところであります。  まず、御質問にありました国道289号から栃尾地域へ接続する道路の整備についてであります。当面は既存の国道あるいは県道を利用することを前提として、幅員が狭いようなネック箇所を改良して、大型バスでも支障なく安全でスムーズな通行を確保することがまず重要であると考えておるところであります。八十里越の開通に間に合うようにしっかり整備していただくよう、新潟県に強く要望してまいりたいと考えております。  次に、新たなバイパスルートの整備でありますが、これはどうしても山岳部にトンネルを通すということになって、トンネルや橋りょうが多数必要になって建設費用がかさみ、時間もかかるということがあります。開通後に既存のルートを改良して、その活用を見ながら関係機関と連携して、必要性について検討してまいりたいと考えているところであります。議員御指摘のとおり、国道351号における待避所の整備については、確かに救急医療や防災面から重要であると考えておりますので、道路管理者である新潟県に特段の要望をしてまいりたいと考えております。  その上でこの八十里越の開通に向けた観光戦略でありますが、先ほどの国道や県道の整備に併せまして、守門岳や道院高原、杜々の森の名水や油揚げ、また外山脩造上杉謙信など、栃尾の地域資源のさらなる魅力向上にまず取り組みたいと考えているところであります。そのことによって広域から観光客を誘客し、地域の活性化につなげていきたいと考えております。  御質問のありました映画「峠」が今年公開されます。これをきっかけとした観光誘客では、福島県只見町及び岡山県高梁市と連携して、企画展やプロモーション事業に取り組む予定としております。また、新たな観光ルートの開発については、「峠」や河井継之助きっかけに長岡の魅力をもっと伝え、長く滞在してもらえる周遊観光ルートを検討いたします。今後は、八十里越の全線開通を見据えながら、南会津や北関東をエリアにした新たな広域観光誘客についても関係団体と連携を図りながら調査研究を進めてまいりたいと考えております。  御指摘のありました道の駅の活用でありますが、栃尾地域の道の駅は年間で50万人ぐらいの誘客があります。道の駅ながおか花火館はコロナ禍でも開館から既にもう180万人の誘客があって、新型コロナが収まれば恐らく年間200万人以上の集客があるというふうに考えております。こうした市内4か所に点在する道の駅との連携強化と、それぞれがハブ機能を持ってそれぞれの地域の観光に足を向けてもらうハブ機能の強化を進めてまいります。集客力の大きい道の駅ながおか花火館とか国営越後丘陵公園をしっかりと、新しいインターチェンジもできますので、そういった新しいルートから人を呼び込んで、市内各地域、栃尾地域の道の駅、そして栃尾地域のいろんな見どころに多くの方々が訪れる交流人口関係人口の拡大に取り組んでいきたいと考えているところであります。  残りの御質問につきましては、土木部長からお答え申し上げます。  以上であります。 ○議長(松井一男君) 中川土木部長。   〔土木部長中川信行君登壇〕 ◎土木部長(中川信行君) 私からは、残りの御質問につきましてお答えいたします。  初めに、長岡版広域道路ビジョンにおける八十里越の位置づけについてお答えします。市では、日本海側の拠点としてさらに発展することを目指し、道路整備の将来的な方向性や連携軸の強化に向けた目標を示した長岡版広域道路ビジョンを平成30年度に策定いたしました。このビジョンにおきましては、八十里越を会津地域につながる連携軸と位置づけ、強化すべきものとしており、これにより歴史的に関わりの深い会津地域などとの文化交流や観光周遊の促進、防災・減災機能の強化など、本市においても様々な効果が期待されております。  次に、国道289号線建設期成同盟会への入会の目的と取組についてお答えいたします。本同盟会は、国道289号全線開通の早期実現を目指して昭和44年度に結成されました。本市も八十里越の早期開通関係市町村との連携を図ることを目的に令和2年10月に同盟会に入会し、現在は新潟県内及び福島県内の14市町村が参画しております。具体的な取組としましては、国道289号の改良事業に必要な予算を確保することや、より一層の事業促進を図るために国や県に対して要望してまいりました。今後も引き続き同盟会を通じて関係市町村と連携を図り、早期開通に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  私からは以上になります。          ──────────────────────── △質問項目  スポーツによるまちづくりについて  除雪作業時の安全対策について ○議長(松井一男君) 次の質問に移ります。  スポーツによるまちづくりについて、除雪作業時の安全対策について、大竹雅春議員。   〔大竹雅春君登壇〕 ◆大竹雅春君 市民クラブ大竹雅春です。通告に従い、分割方式にて質問いたします。  初めに、スポーツによるまちづくりについて質問します。  1つ目は、東京オリンピックパラリンピック事前合宿について伺います。北京冬季オリンピックは、コロナ禍でありながら新潟県選手の活躍もあり、盛り上がりましたが、現在行われているパラリンピックは、ロシアによるウクライナ侵略で国際社会が混乱している最中に開催されております。マスコミなどは本来の取上げ方でないというところが非常に残念でなりません。また、招致決定以来、準備に8年をかけた巨大イベント東京オリンピックパラリンピックは、1年の延期を経て終了しました。国際オリンピック委員会は成功を強調しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大への影響や無観客に伴い赤字が見込まれる収支などは不透明なままで、強い批判の中で開催された東京大会は検証すべき多くの課題が残されています。私は平成28年3月議会の一般質問において、東京オリンピックパラリンピック事前合宿について伺いました。当市に合宿を誘致することは、広く市民においてはスポーツへの関心が高まり、ジュニア選手には大きな刺激となります。また、国内外から多くの人が訪れて、交流人口の増加や経済効果が期待できます。さらに、長岡市の魅力を世界に発信できる、そしてスポーツの振興にとどまらず、その後末永い交流ができることを前提として地域の活性化やまちづくりにつながるという方向へ積極的に取り組んでいく必要があると考えておりますという答弁を頂きました。その後、私が平成28年9月、平成29年12月に、また田中議員が平成30年3月議会の一般質問において質問しており、議会としても大変注目していました。東京オリンピックパラリンピックで来日した海外選手らを迎え入れるホストタウン制度に533の自治体が登録していました。長岡市では、大きな効果が期待された事前合宿は残念ながら中止となりました。内閣官房によると、全国のホストタウン数は429件。オリンピックパラリンピックのための合宿所など、直前にここで準備をしてから本番に入るという施設がありながら、全く来ないとか、来ても行動が制限されるなど、非常に大きなダメージを受けました。出費や準備をして待ったけど、うまくいかなかったみたいなものがたくさんあったわけです。長岡市においても、ホストタウンとしてオーストラリア水泳チームと表町小、上川西小では交流があったと報道されましたが、大事なのはこれからの交流をどうするかです。東京オリンピックパラリンピック事前合宿における検証と今後の交流について、市の考えを伺います。  2つ目は、大規模スポーツ大会の誘致について伺います。2009年に2巡目の新潟国体が開催されました。国体の開催が都道府県のスポーツ政策に与える影響は大きく、競技会場となる施設等の整備や協議会の運営、開催都道府県として総合優勝を目指すための選手強化など、準備段階から多くの予算が投じられます。全47都道府県1巡するまで、国体には大きな意義がありました。ところが、2巡目に入ると、開催県にかかる莫大な費用が大きな負担となるなど様々な問題が出ており、スポーツに対する考え方も変化し、今国体を純然たる日本一を決める大会と位置づけるチームや選手は少なく、高校生にとっては国体よりもインターハイのほうが大事な大会であるというふうになりました。そのインターハイのバスケットボール競技が昨年7月に新潟県で開催され、アオーレが決勝会場となる中、帝京長岡高校が決勝進出を果たし、全国大会のテレビ中継において長岡市の名前が連呼され、地元の紹介が繰り返されるたびに誇らしく思いました。新型コロナの影響がなければ全国各地から大勢の大会関係者や選手、その保護者などが来岡し、長岡市に滞在して、飲食や買い回りなどの経済効果も期待できたところであったと非常に残念に思ったところです。本市においてもかつて国体やインターハイなどを開催してきましたが、地域スポーツへの効果は絶大です。スポーツ競技団体等へ合宿や大会を誘致、開催する場合の金銭補助制度、会場の減免、さらにはその参加申込み受付等の人的運営の補助などについても既に取り組まれていますが、制度化も含め、その団体活動を支援することは大変重要と考えます。大規模スポーツ大会の誘致について、市の考えを伺います。  3つ目は、プロスポーツチームの存在について伺います。平成28年3月議会の一般質問にて、バスケによるまちづくりについて伺いました。新潟アルビレックスBBは、チーム、市民、企業、行政が一体となったオール長岡によるバスケットボールを核としたまちづくりを目指し、地域を盛り上げるばかりでなく、地元の子どもたちにも大きな影響を与えています。そんな中、長岡市において、各競技のプロリーグを目指すチームが立ち上がります。バレーボールではVリーグを目指す女子チームが、フットサルではFリーグを目指すチームです。Fリーグにおいては北海道から九州まで18チームが加盟していますが、何とこのリーグに長岡市内の高校を卒業した選手が8名も登録されていると知り、びっくりしました。また、その1人である与板地域出身で帝京長岡高校を卒業した齋藤日向選手は、日本代表にも選ばれています。近い将来、長岡市にゆかりのある選手が地元チーム選手としてアオーレで活躍することが現実となるのです。四、五年後には長岡市にプロスポーツチームが2チーム増えることになるかもしれません。プロスポーツチームは地域活性化を理念や行動指針に挙げており、青少年向けのスポーツ教室の開催や地域行事への参加など、様々な形で地域活動に関わっています。こうした地道な草の根運動が地域住民のスポーツ参加率の向上や郷土愛の醸成などにつながっています。人口減少などで地域の活力低下が懸念される中、経済的恩恵やシビックプライドの醸成の効果が期待されるプロスポーツは、地域活性化の一翼を担う存在であると思います。フットサル、バレーボール、そして野球においても新しい動きがあるようです。地域の有志による市民活動から始まったこのプロを目指すチームの存在について、市の考えを伺います。  この項目の最後に、スポーツコミッションについて伺います。今年度はコロナ禍ではありましたが、夏と冬のオリンピック開催など、厳しい生活の中でもスポーツによる希望や励ましを分かち合うことができました。社会全体がそうであるように、スポーツ界も様々な問題を抱えながら多様化が伸長し、これまでとは異なる対応を迫られる時代になったと感じているところです。少子化による学校スポーツの存在価値や活動を継続するための受け皿の問題、スポーツ施設の老朽化による維持費等の財源不足、スポーツを継続的に実践する子どもたちの育成や強い選手を育成するための強化策の構築、強化費の獲得、スポーツが好きな市民機運の醸成など、スポーツによるまちづくりの問題や課題がたくさんあると考えます。これらの課題を解決していくために本腰を入れてスポーツ振興を図るため、長岡市スポーツ界の長所や短所、問題及び課題などをしっかり整理し、具体的に施策に反映していくための人材を国内外から広く要請することは大変重要であると思います。その1つの取組が、スポーツ庁が平成27年度より推進している地域スポーツコミッションです。第2期スポーツ基本計画では、2021年度末までに全国の地域スポーツコミッションの設置数を170にまで拡大することを目標として掲げています。現在、宮崎県都城市や島根県松江市では、地域おこし協力隊の制度を利用して人材を確保しながらスポーツコミッション設立準備を進めています。スポーツを活用して地域の活性化や経済的発展を目指しながらスポーツ合宿やスポーツツーリズムの企画、推進、運営をして、スポーツだけではなく、地域の様々な観光資源なども活用していく組織である地域スポーツコミッションについて、先進自治体である金沢市や横浜市などでは、その効果と将来性を大きく評価しています。スポーツ推進条例の制定、東京及び北京オリンピックパラリンピックの開催、長岡市においてトップリーグを目指すチームが結成される市民活動の盛り上がりなどの大きな波を一過性のものとせず、スポーツの力を活用した特色あるまちづくりに転化させ、しっかりと根づかせていく絶好の機会です。本市におけるスポーツによるまちづくりをワンランク上げるための施策について、市の考えを伺います。 ○議長(松井一男君) 磯田市長。   〔市長磯田達伸君登壇〕 ◎市長(磯田達伸君) ただいまの大竹議員の御質問にお答えいたします。私からは、スポーツのプロ化による地域活性化などについて申し上げたいと思います。
     御指摘にありましたように、今年度はいろいろ準備したことが十分にできなかったものもありますけれども、総じて1年を通してスポーツで盛り上がった年でもあったというふうに感じております。東京オリンピックパラリンピック、インターハイ、あるいは北京オリンピックパラリンピックの開催で、1年を通じて市民の皆さんが盛り上がった年ではなかったかなというふうに思っている次第であります。東京オリンピックパラリンピックでは、合宿等で交流を続けてきたオーストラリア競泳チームは本当にすばらしい大活躍で、いい成績を収めていただきました。市民の皆さんも大変喜んだというふうに思っております。また、インターハイ男子バスケットボール競技では、この長岡会場で帝京長岡高校が準優勝を果たすなど応援に力の入る夏でもありました。冬季の北京オリンピックでは、長岡出身の星野純子選手と古野慧選手の2名が出場し、また競技中、スポーツ用具に入っている市内企業のロゴが何度もテレビ画面に映し出されるなど、スポーツを通じて長岡市民に元気を与えてくれたと感じております。つい先ほども星野純子選手が来訪されて、競技結果の報告を受けましたけれども、今後もスポーツに関わりながら長岡市民のスポーツ、特に青少年や子どもたちにスポーツの魅力を伝えていきたいというふうにおっしゃっていました。  さて、議員御指摘のスポーツのプロ化による地域活性化という問題でございます。本市は、プロバスケットボールチームアルビレックスBBのホームタウンであります。公式戦を開催する日には市内外から来訪者がまちなかを訪れて、いろんな飲食店などがにぎわうという効果も出ております。市民にとってプロスポーツチームが身近にあることが、スポーツに興味を持つきっかけ、あるいはまちの活性化に本当につながるというふうに考えております。そういう意味でも、議員御紹介のバレーボールやフットサルについてもそれぞれがプロリーグに昇格してプロスポーツを観戦する機会が増えていくことは、市民が様々なスポーツに興味を持つきっかけとなります。さらに、そのチームで長岡市出身の選手が活躍すれば、今頑張っている子どもたちに大きな夢と希望を与えることになり、地域も元気が出るというふうに思います。スポーツによる地域活性化につながるものとして、御提案のプロリーグのこれからのプロ化の問題については市としてもしっかりと推進していきたいというふうに思っております。  それとともに、スポーツ推進条例のお話もございましたけれども、私はこの新型コロナウイルスの問題でちょっと感じていることは、やはりポストコロナで長岡市が元気を出すためには、スポーツによるまちづくりをさらに頑張っていきたいということと、やはり市民の方一人一人が自分の健康こそが本当に大事なんだという思いが大きくなってきております。そういう意味では、市民スポーツあるいは健康スポーツの意義とか、これからの展開を改めてまた考えていきたいというふうに感じているわけであります。それもまたスポーツによるまちづくりの大きなテーマとしてこれからも取り組んでいきたいと考えているところであります。  残りの御質問につきましては、市民協働推進部長からお答え申し上げます。  以上であります。 ○議長(松井一男君) 茂田井市民協働推進部長。   〔市民協働推進部長茂田井裕子君登壇〕 ◎市民協働推進部長(茂田井裕子君) 私から残りの御質問についてお答えいたします。  まず、東京オリンピックパラリンピック事前合宿の検証と今後の交流についてお答えします。長岡市とオーストラリア競泳チームは、平成29年3月の協定締結から5年にわたり交流を続けております。様々な成果の中で、まず初めに水泳競技の強豪国の事前合宿を誘致し、決まったことで市民の皆さんのスポーツへの関心が非常に高まったと思っております。オリンピックパラリンピック直前の事前合宿は、新型コロナウイルス禍の影響により残念ながら実施されませんでしたが、令和元年までに行われた合宿の際には、練習の合間に小学生から高校生までが世界トップレベルのスイマーやコーチ陣から直接指導を受け、子どもたちは大きな刺激をもらいました。ほかにも、公開練習やコーチクリニックなどを通じて競技力の向上が図られたことは、スポーツに対する大きな成果であったと認識しております。合宿の受入れができなかったこの2年間についてもオンラインで子どもたちと交流する機会があり、子どもたちの夢や国際感覚を育むことができました。さらに、長岡まつり大花火大会を観覧いただいた際には選手のSNSを通じ長岡花火が世界に発信され、加えて長岡の食、茶道や着つけ体験時における市民の皆さんのおもてなしに選手から感謝の言葉が述べられ、市民と選手の深い友情が育まれるなど国際交流の面でも効果があったと考えております。オンライン交流は新年度も実施していきたいと考えております。また、今後もこうした国際大会等の機会を捉え、合宿の受入れについて検討していきたいと考えております。  次に、大規模スポーツ大会の誘致についてであります。今年度は、インターハイ男子バスケットボール競技が本市で開催されました。新型コロナウイルス禍の中、無観客での開催となりましたが、全国の強豪校が集まり、さらに地元の帝京長岡高校が準優勝したこととの相乗効果により、バスケによるまちづくりを進める本市及びメイン会場となったアオーレ長岡の認知度が上がったと認識しております。また、公式大会以外でも全国の有力校と地元の高校などが交流試合を行い、関係者からは競技力の向上と選手同士の交流が生まれ、宿泊や飲食などにもその効果が波及したと伺っております。今後も大規模大会が県内で開催される際には、本市も積極的に手を挙げていきたいと考えております。あわせて、これから整備予定のニュータウン運動公園の野球場についても、こうした大規模大会や交流試合などができるように施設を整備し、周辺への波及効果を促したいと考えております。  最後に、スポーツコミッションについてお答えします。先ほど議員から御紹介のありましたスポーツ庁が推進している地域スポーツコミッションの考え方は、スポーツによるまちづくりを進める本市にとっても重要であると認識しております。大規模大会等の効果は先ほども述べましたが、これまでも市のスポーツ協会や観光コンベンション協会、旅行会社などと協力、連携し、事前合宿や大規模合宿等を支援してまいりました。今後も大規模スポーツ大会の開催等によって地域が活性化されるよう、スポーツ協会をはじめ関係機関や各競技団体等と協力し、誘致や支援の在り方等についても研究してまいりたいと考えております。 ○議長(松井一男君) 大竹雅春議員。   〔大竹雅春君登壇〕 ◆大竹雅春君 2項目めは、除雪作業における安全対策について伺います。  除雪中の事故は、雪国の暮らしにおいて大変深刻な問題です。長岡市内でも特別豪雪地帯では既に何度も屋根除雪が行われており、今シーズンは小国地域をはじめ4件の死亡事故が起きてしまいました。新潟県のホームページにおいては、除雪作業中の死亡事故の多くは1人での作業中に発生し、雪下ろし等除雪作業中の事故の多くは屋根やはしごからの転落が原因で、屋根からの転落事故だけでなく、はしごからの転落事故も発生していると掲載しています。2月23日に、山古志地域栃尾地域、川口地域に災害救助条例が適用されました。昨年は1月10日に、小国地域栃尾地域、川口地域で適用され、期限内に要支援世帯の要望に対応するべく民生委員の方々が慌ただしく動かれていたことは、私にとっても記憶に新しいものです。現状において、若者の減少により、一般家庭にしても除雪業者にしても体力が低下した高齢者が除雪の担い手にならざるを得ない状況が目立っています。この傾向は今後一層拡大すると思われ、転落など除雪中の事故の増加が懸念されます。長岡市では、これまで克雪住宅の普及に関わる克雪住まいづくり支援事業をはじめ、屋根への命綱固定アンカーの設置補助、除雪共助組織の支援など様々な対策を進めています。個々の取組は評価するものの、今後ますます進行する人口減少、高齢化を背景としてもう一歩踏み込んだ対策を総合的に検討し、各施策を連携させながら統一感を持って推進していくことが求められると感じているところであります。昨年3月議会において、屋根除雪における自助、共助、公助の在り方について一般質問をし、屋根除雪での安全対策について伺いましたが、今後の人口減少、高齢化を背景とした本市の除雪に係る安全対策について、2点にわたり伺います。  1点目は、屋根雪下ろし命綱固定アンカー設置補助金についてです。昨年3月議会で取り上げてから、3月30日にはズーム会議にて命綱アンカー普及推進協議会が発足され、11月には長岡技術科学大学の上村教授の声がけの下、栃尾地域にて3か所のモデル事業に取り組むため現場にメンバーが集合しました。私も参加しましたが、長岡市の担当職員や社会福祉協議会、屋根部材メーカー、地元建設業者などがそれぞれの状況を説明し、12月に命綱固定アンカーが設置されました。その後、今年1月10日に住民や長岡市職員、社会福祉協議会の除雪ボランティアに登録している市民有志も参加し、専門家の指導を受けながらアンカーに命綱を結び、講習会が開かれるなど、この事業を引き続き注視しています。雪下ろしを請け負う地域ボランティアからは、命綱をつけると作業効率が悪くなるなどの声も聞きます。また、業者にとっては2019年施行の改正労働安全衛生法で、高さ2メートル以上の除雪作業には足場の設置か命綱などの墜落制止用器具の装着が義務づけられ、今年から厳格化されました。雪を下ろしてほしい世帯は増え、雪下ろしの担い手が減っている上に業者も手を引こうという最悪な状況です。長岡技術科学大学の上村教授は新聞の取材に、「毎年のように多くの人が事故に遭っている。こうした現状を何とか変えなければいけない。そのための第一歩がアンカーの普及だと思うので、新潟で先導しながら全国に広めていきたい」と答えています。本市では、今年度に命綱固定アンカーの設置支援に係る補助事業を新設し、多くの方が利用していると聞いています。安全対策の1つとして前進しているものと評価しますが、本市の特徴として一般世帯の利用に比べて要援護世帯の利用割合が低いとも聞いております。そこで、改めて本事業の意図、周知方法及び実績を伺うとともに、要援護世帯への普及拡大を踏まえた今後の展開について伺います。  2点目は、今年度国が新たに創設した豪雪地帯安全確保緊急対策交付金を軸とした本市の除雪安全対策の取組について伺います。除雪の安全対策については、先ほどのアンカーだけでなく、安全帯ロープやヘルメットなどの利用促進、そして安全用具の普及に係る講習会や体験会の開催はもちろん、コミセンや社協、支所等において安全帯ロープ等一式を貸し出す制度など住民目線で様々な施策を組み合わせるとともに、各施策を密接に連携させ、統一感を持って推進することが求められています。こういった取組は、除雪の安全対策として大変有効なものと認識していますが、折しも豪雪地帯において除雪時の死亡事故が多発していることも踏まえ、国は令和3年12月、国会補正予算にて豪雪地帯安全確保緊急対策交付金事業を創設しました。本市においても、今後この交付金を活用した施策を推進していく予定であると聞いています。この交付金の活用を軸として多様な施策の連携を考慮し、対策を検討する必要があると思いますが、今後本市としてどのように交付金を活用した事業を進めていくのか、市の考えを伺います。 ○議長(松井一男君) 若月都市整備部長。   〔都市整備部長若月和浩君登壇〕 ◎都市整備部長(若月和浩君) 私からは、屋根雪下ろし命綱固定アンカー設置補助金についてお答えいたします。  この制度は屋根の雪下ろしの安全確保のため、議員御紹介のとおり今年度新たに創設した補助制度であり、市政だよりはもとより、雪下ろしを担う建築・建設関係の団体、民生委員などを通じてPRを行い、一般世帯33件、要援護世帯13件、合わせて46件に交付したところであります。しかしながら、市民や施工業者からどのようなアンカーを設置したらよいか分からないなどの相談を多数受けたことから、実際の施工例や雪下ろしの安全対策などを掲載したパンフレットを作成し、さらに周知に努めてまいります。また、新年度には要援護世帯のうち非課税世帯等に対する補助率を引き上げ、一層の普及促進を図り、安全な作業環境の確保につなげてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 ○議長(松井一男君) 渡邉地域振興戦略部長。   〔地域振興戦略部長渡邉一浩君登壇〕 ◎地域振興戦略部長(渡邉一浩君) 私からは、豪雪地帯安全確保緊急対策交付金事業の概要と交付金を活用した市の取組についてお答えいたします。  人口減少や少子高齢化によりまして、除排雪作業時において人命に関わる事故等が高齢者を中心に急増しております。こうした状況を踏まえまして、国では地域ぐるみによる安全克雪方針の策定と並行して試行的に取り組む安全克雪事業に対して補助を行う新たな交付金制度を創設いたしました。長岡市では、これまでも要援護世帯への除雪費の助成であったり、地域内の共助組織活動支援、さらには除雪機の燃料費補助事業等に取り組んできました。さらに、この交付金を活用しまして地域懇談会の開催等によって地域のニーズをしっかりと把握しながら、さらには専門家の御意見を頂きながら安全克雪のための方針を策定してまいります。そして、この方針に基づきまして関係課と連携しながら様々な事業を実施し、今まで以上に除排雪時の安全対策の強化及び事故防止に努めてまいります。令和4年度におきましては、この方針の策定のほか、それに先立って地域から要望があります小型除雪機の購入補助であったり、さらには共助組織の強化や支援、さらには屋根雪下ろし用の命綱固定アンカーの設置の普及、PR等の事業に取り組んでまいりたいと考えております。  以上であります。          ──────────────────────── ○議長(松井一男君) この際、20分程度休憩いたします。   午後2時休憩          ────────────────────────   午後2時20分開議 ○議長(松井一男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ──────────────────────── △質問項目  支所地域の今後のまちづくりについて  耕作放棄地対策と今後長岡市が目指す持続可能な農業について ○議長(松井一男君) 次の質問に移ります。  支所地域の今後のまちづくりについて、耕作放棄地対策と今後長岡市が目指す持続可能な農業について、五十嵐良一議員。   〔五十嵐良一君登壇〕 ◆五十嵐良一君 民成クラブの五十嵐良一です。通告に従い、分割質問いたします。  初めに、支所地域の今後のまちづくりについてでございます。人口が長期的に増えも減りもせず、一定となる出生の水準を人口置換水準と呼んでいます。日本の人口置換水準は、2.07とされているようでございます。しかしながら、我が国の出生率は1974年に初めて2.05になりました。そして、48年以上もの間、人口置換水準を下回りながら低下を続けてまいりました。そして、厚生労働省が発表する2020年の出生率は1.34となり、まさにその帰結として日本の人口は減少を迎えたのであります。山古志地域においては、令和4年1月1日の人口は831人、391世帯となっております。このままでは、地域コミュニティをはじめ集落の維持が困難な状況にならざるを得ません。  長岡市都市計画マスタープランにおいては、山古志地域について、集落が山あいの緩傾斜地や幹線道路沿いに点在しており、地域コミュニティの確保・維持が課題となっている、また日常生活に必要なサービスを享受するためには、地域での移動環境を確保し、充実させる必要があるとの記載がございます。また、今般策定された長岡市過疎地域持続的発展計画においても、基盤である農地は全て傾斜地の中に点在しており、零細農家がほとんどで、また高齢化、過疎化が進んでいる現状にあり、担い手不足、耕作放棄地の増加による農地の荒廃が懸念されている旨の記載がございます。さらに、人口の減少や子どもとの同居世帯の減少により、家族による介護力の低下とともに、地域での支え合い機能の維持も難しくなっていますとの記載もされています。山古志地域で顕在化している状況は山古志固有の課題ではなく、時間差はあるといえ、全ての支所地域に広がっていく将来課題になり得ることから、今後の長岡市の大きな方針を示すべき問題と言えるのではないでしょうか。私はこのまま厳しい現状が続けば、支所地域、特に中山間や過疎地域での生活は早晩成り立たくなる危機に瀕しているという認識を持っております。  こうした中、昨年の議員協議会で、支所地域の今後のまちづくりに関する考え方や市の体制の見直し、施策等が示されたところであります。また、今般示された新年度予算の中にも、地域の活力や持続性の確保、誰もが暮らしやすいまちの実現に向けた施策が盛り込まれております。今こそ今後のまちづくりに関する議論を重ね、ビジョンを共有し、活力や暮らしの維持、向上につなげていくときであります。また、税制なども考えていくべきと私は感じているところでございます。  まず、支所地域の今後のまちづくりの議論の前提として確認したいと思います。1点目に、支所地域の今後のまちづくりと長岡市都市計画マスタープラン等との整合性についてでございます。昨年7月、11月の2回にわたる議員協議会において、支所地域における今後のまちづくりについて説明がされたところでございます。そこでは、人口減少が顕著な支所地域の持続性を確保するため、コミュニティの強化策や将来に向かっての活性化の考え方が示されたものと理解しております。  これとは別に、人口・世帯数の減少を正面から受け止めながら、まちづくりを取り巻く様々な情勢の変化に対応し、「安全・安心で、持続可能なコンパクトなまち 長岡」を実現するための基本方針を示す、長岡市都市計画マスタープランが昨年改定されました。このプランでは、人口・世帯数減少を見据えた市街地・農村集落のマネジメントの推進の項目の中で、長岡市立地適正化計画を策定し、まちなか居住区域、いわゆる居住誘導区域に人口を緩やかに誘導するコンパクトなまちづくりに取り組んでいるとの記載があり、加えて人口・世帯数減少を見据えた市街地・農村集落のマネジメントと持続可能なまちづくりの方針を示すとし、日常的な生活サービスを提供する施設の誘導を検討しますとの記載もございます。改めて少子高齢化、人口減少の中では重要な政策ではないかと感じるところではありますが、さきにお尋ねした支所地域の今後のまちづくりの考え方と都市計画マスタープランとの整合性について、併せてお伺いしたいと思います。  次に、支所の在り方のビジョンについてでございます。医療、福祉、交通、農業など、いずれを取っても厳しい状況の中で、行政においてはそれぞれの分野で様々な事業や施策が展開されております。しかしながら、地域住民の生の暮らしは分野によって縦割りにできるものではなく、あらゆる分野を包含しているものです。したがって、地域住民の暮らしをトータルでどのように支えていくのかというビジョンが必要であると考えております。また、それぞれの暮らしは、個々の住民の誇りや思い、文化と一体となっているもので、そうしたこともしっかりしんしゃくしていかなければならず、それを支えてきたのが支所であります。厳しい地域や集落では自助、共助では立ち行かなくなっており、公助が重要と考えております。今後の支所の在り方のビジョンについてお伺いしたいと思います。  この項の最後に、支所地域の維持に関する考え方についてでございます。令和4年度の市政執行方針の中で、米百俵について触れてございます。米百俵の精神とは、やはり人材の育成ではないでしょうか。しかしながら、今の社会は、今だけ、自分だけ、お金だけのまさに金百俵の時代ではないでしょうか。今こそ米百俵の精神が問われています。私は、金百俵の精神になってはならないと思っています。今回示された支所地域の今後のまちづくりの中では、DXを活用していくとされております。DXをどう作用させていくのでしょうか。デジタルトランスフォーメーションを導入すれば、支所地域が活性化し、人口減に歯止めがかかり、希望ある地域や社会になるのでしょうか。  山本五十六元帥には、教育における名言がございます。皆さん御承知でございますが、やってみせ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ。そしてその後に、話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば人は育たず。やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らずと書いてあります。また、野球の故野村克也監督は「どうするか」を考えない人に、「どうなるか」は見えないとの言葉を残しています。  これからの地域に大切なものは人づくりや担い手確保であるにもかかわらず、持続可能な行財政運営プランや本庁・支所の体制再構築、令和4年度の当初予算の考え方から見えてくるのは、支所地域から市の中心にどんどん人を集め、将来少なくなっていくだろう支所地域に残らざるを得ない住民にはDXを活用し、サービスを維持することで賄うことになっていくという考え方になっていくのではないかと私は受け止めざるを得ません。  人口減少社会が進む状況の中、効率化やDX化について理解していかなくてはならないと私は思っています。同時に、やはりこれは支所地域の切り捨てにつながっていくのではないかという葛藤が正直私にはございます。今後の長岡市としてのDX化の狙いと併せて、思い描く支所地域の将来像や方針を示していただきたいと思います。 ○議長(松井一男君) 磯田市長。   〔市長磯田達伸君登壇〕 ◎市長(磯田達伸君) ただいまの五十嵐議員の御質問にお答えいたします。私からは、目指す支所地域の将来像とDXの狙いについて申し上げたいと思います。  御質問の趣旨は、支所地域、特に山古志地域の人口が現在831人と、中越地震のときの2,200人から物すごく減っていると。これから高齢者の方がお年を召されて亡くなっていき、人口減少がさらに進む中で、この山古志地域をどうしてくれるんだ、どうしたらいいのかというふうな御質問かと思いました。  そういう中で、DXについてもちょっと申し上げますが、DXというものがあまりいいものではないと。そのことによって何か大切なものが失われるという、そういうふうなものではないんじゃないかなというふうに私は思っております。DXというのは、あくまでもデジタルという技術を使ってトランスフォーメーション、物事を変えていく、よくしていく、変革していくというそれがDXであります。そういう意味では新しい価値といいますか、今までにない新しいいいものを生み出していくことがDXではないかなというふうに思っております。DXの動きをすることによって今まである価値とかいいものをなくしていく、捨てていくという考えは、長岡市としては毛頭持っていないということをまず申し上げたいというふうに思います。  御指摘のように、高齢化や人口減少によって支所地域における地域の担い手の減少が非常に顕著になってきております。これまでの共助による見守り、あるいはお祭りやイベントなどを継続することが難しくなってきているという現状がございます。大変厳しい現状にあるわけでありますが、こうした中で特に支所地域において地域社会をどういうふうに守っていくか、あるいは活性化していくかということは大きな課題だと認識しているところであります。もちろん支所地域といっても、御紹介のあった山古志地域だけではなくて、いろいろな地域があって、そういう意味では人口や面積、産業の現況などもそれぞれ異なる状況がありますので、共通の将来像という議論はなかなか難しいわけでありますが、政策の方向性として考えていることは、私としては次の4つぐらいあるのかなと思っております。もちろんこれは将来これを変えるとか、変えるつもりはないとかそういうことでなくて、現時点においてこの4つがあるのかなというふうに思っております。  まず1つ目は、この支所地域の地域コミュニティの担い手不足に対しては、支所の職員が積極的に地域に関わっていくような形で対応していきたいというふうに思っております。そして、この地域の戦略とか共通課題といったものは、それぞれ単独の支所では対応できない課題でもありますので、これは全庁的に対応していく。いわば要となるのが地域振興戦略部ということで、今回強化したい部分であります。  2つ目は、このDX、特に「DX」の「D」、デジタル技術の活用によりまして支所業務を効率化していく。もちろん支所業務だけじゃなくて、市役所のあらゆる業務を効率化していくということがまず基本にあります。そのことによって、行政サービスを維持、そして拡大していきたいというふうに思います。  3つ目は、昨今の地方分散、このコロナ禍で顕著になってきた地方分散の動き、あるいはリモートワークによって、移住・定住、企業誘致が可能になってきたというふうに感じております。そういった動きを加速化することによって、人口減少のスピードを抑えていきたいと考えております。  4つ目は、現にある道の駅ながおか花火館や国営越後丘陵公園、あるいは来年オープンする米百俵プレイスミライエ長岡などとの連携、あるいは市内の周遊によって交流人口を増やしていきたい。  以上の4つを当面の1つの方向性として頑張っていきたいと思っているわけであります。こうした政策によりまして、生活に密着した市民サービスをしっかりと確保しながら、健康で明るい生活ができる生活環境を維持してまいりたいと考えているところであります。  そして、このデジタル化あるいはDXによって社会変化に対応していく。山古志住民会議という団体が電子住民票のような取組をやって非常に注目を浴びて、何をやっているのかよく分からない感じがする方もいらっしゃるかも分かりませんが、私はすばらしい取組だというふうに思っているんです。今やこの仮想現実の中で人間が活動する、場合によっては仕事をして、そこでコミュニケーションを取って生きていくというような時代にもなってきました。そういうものの先駆けの1つとして、山古志住民会議がこういう仮想の山古志地域という空間をつくってそこに多くの人を呼び入れようとしているこの取組は、まさにこのDXといいますか、デジタル技術を使った新しい展開だと思い、非常に高く評価しているわけであります。こうした新しい技術を利用しながら、この社会変化に対応しながら安全・安心で活力ある地域づくり、まちづくりに取り組んでいきたいと考えているところであります。  今やインターネットの普及によりまして、距離の概念が劇的に変わったと言われています。昔は地図の中の距離が距離。それが、トンネルができて新幹線が通ったことで、時間距離という変化が出た。近年は、やはりインターネットによる空間の中で距離というものが一気に縮まったと、なくなったと言われているわけであります。どこに住んでいるか、山の中にいるのか、海のそばにいるのか、そんなことは関係なく、どこに住んでいてもインターネットでコミュニケーションが取れて仕事をすることが可能になってきたと言われているわけであります。現実の生活が全てそれでカバーできるわけではありませんが、そういうものでしっかりと仕事をしたり、生きていくことができる人たちがどんどん増えてくるということでございます。そういうものをしっかり捉えながら、支所地域においても新しい価値観や新しい状況を生かした地域の将来像を住民の皆様と一緒に、合意を得ながら描いていきたいと考えているところであります。  私からは以上でありまして、残りの御質問につきましては地域振興戦略部長、総務部長からお答え申し上げたいと思います。 ○議長(松井一男君) 渡邉地域振興戦略部長。   〔地域振興戦略部長渡邉一浩君登壇〕 ◎地域振興戦略部長(渡邉一浩君) 私からは、支所地域の今後のまちづくりと長岡市都市計画マスタープラン等との整合性についてお答えいたします。  議員協議会では、目指す地域像としまして、住民が安全・安心に住み続けられる地域、地域の個性を生かし、将来に向け新たな価値を生み出していく地域の2つをお示ししました。実現に向けては、コミュニティの強化、支所の維持に加えまして、支所間、さらには長岡地域との連携、調和を掲げ、オール長岡の視点で持続可能な地域づくりを進めることとしております。  一方、都市計画マスタープランで示す将来都市像は、先ほど議員からも紹介いただきましたけれども、「安全・安心で、持続可能なコンパクトなまち 長岡」で、こちらも生活を支える拠点の形成や公共交通の維持等によりまして、まちを持続させることを目指しております。都市計画マスタープランや立地適正化計画にありますコンパクトシティや居住誘導は、もちろん支所地域から市の中心部に居住誘導するということではありませんし、それぞれの地域の中で利便性の高い生活環境を維持し、市中心部と支所地域を公共交通等で結ぶことで共存共栄を図るという多極ネットワーク型のコンパクトシティの実現に向けた取組であります。  このほか都市計画マスタープランの中では、各支所ごとに課題や特性に応じた地域づくりの方針であったり、生活基盤の整備や活性化に向けた取組も示してあります。安全・安心な地域、持続可能な地域、地域間の連携など、都市計画マスタープランの考え方と議員協議会でお示しをしました支所地域の今後のまちづくりの考え方につきましては、整合性は取れているものと考えております。  私からは以上であります。 ○議長(松井一男君) 近藤総務部長。   〔総務部長近藤信行君登壇〕 ◎総務部長(近藤信行君) 最後に、支所の在り方に関する今後のビジョンについてお答えいたします。  これまでも説明してまいりましたとおり、支所については現在の10支所を維持して、福祉、保健の相談や見守り、証明発行、災害対応など、生活に密着した市民サービスを確保いたします。また、職員が積極的に地域に出向いて地域の活性化などの課題にこれまで以上に取り組んで、地域の皆様が安心して住み続けられるようしっかりと支えていける体制づくりを行ってまいります。そのためには、事務の本庁への集約やDXの推進等により業務を効率化して、職員が地域と向き合える時間と労力を確保したいと考えております。  以上です。 ○議長(松井一男君) 五十嵐良一議員。   〔五十嵐良一君登壇〕 ◆五十嵐良一君 次に、耕作放棄地対策と今後長岡市が示す持続可能な農業についてお伺いしたいと思います。  我が国の農業を取り巻く環境を私なりに整理すると、少子高齢化の進展に伴う消費の減少や人手不足などが顕在化し、農業の今後の先行きが心配されると思っております。人々の食を支える日本の農業は、大切なものでありながらあって当たり前のレベルにあり、世界の食糧危機や安全・安心の確保などの点から見ると、日本の農業の価値をみんなで再認識する必要があると考えております。  そこで1点目は、長岡市の農業を取り巻く現状と認識についてお伺いしたいと思います。長岡市では、信濃川の恵みによる肥沃な土地や中山間地域に広がる棚田などで米づくりが行われてきました。生産量や品質を見ても日本有数の米どころでございます。しかしながら、地域農業の行き先が特に不安視されている状況であり、農村等の衰退により農業の持続性が損なわれる地域が発生する心配を中山間地域だけではなく、平場の住民からも多く聞くことがございます。農業の持続性を確保するためには、新型コロナウイルス感染症等の影響や中・長期的な課題などを整理し、解決につなげる必要があると考えております。今、地域農業の抱える課題などの現状と認識についてお聞かせいただきたいと思います。  次に、耕作放棄地の増加防止に向けた取組についてお伺いしたいと思います。耕作放棄地は中山間地域だけではなく、いわゆる平場においても増加しており、私は大きな問題であると思っております。これまで先人の努力により、山や荒れ地を開墾し、水田などを開き、生産量を増加してまいりました。私の地元においても多くの棚田が広がっていることからも、その努力に敬意を払うものであります。しかし、そうした生産条件の厳しい田んぼから耕作放棄地化しているのも現実でございます。昔のように米消費が進み、需要と担い手が確保できれば生産意欲も維持されると考えますが、現在の農業、農村を見ると大変厳しいものと考えざるを得ません。耕作放棄地の増加の要因を見極めながら発生を防止することが大切と考えております。また、耕作放棄地の増加は、鳥獣被害の拡大や農村環境の悪化、防災など、単に農業、農村の問題だけにとどまらないものと考えております。そこで、耕作放棄地の増加防止に向けた取組についてお伺いしたいと思います。  最後に、持続可能な農業についてお伺いいたします。先ほど私は、日本農業の価値をみんなで再認識する必要があると思うと申しました。加えて、農業は成長産業であると言いたいと思います。マスコミ等の報道によると、大豆などの植物由来の代替肉が健康志向やビーガンの方々から支持され、さらに自然に優しい持続可能な農業への転換が求められているように感じております。海外においてはこの傾向が顕著であり、ハラール食を含め見直されております。昨年の東京オリンピックにおいても、ビーガンへの対応が取り沙汰されておりました。世界のトップレベルで活躍するアスリートの中には、植物由来、プラントベースの食生活を取り入れている選手が多く存在しているとされています。大豆だけではありません。コンニャクをはじめ様々な食材が研究されているとも報道されております。このことから、これからの農業には大きな転換をもたらすものと考えております。しかしながら、日本の食料自給率は37%とも言われております。関税を撤廃したトウモロコシの自給率はほぼゼロ%、大豆の自給率に至っては7%とされています。輸入農産物との価格差などの問題点も多くございます。今回の紛争の影響で輸入されなくなるというような状況にも備えるため、農業の持続性の確保は大切ではないかと思っております。  さらに加えて、多年草である水稲は1回目の収穫後、切り株からひこぼえと言われる新しい芽が出てきますが、この同じ株から1年に2回収穫する二期作も研究されております。日本の米消費が減る中で、新たな技術や発想で独り暮らしやダイエット中でも食べやすい商品、そしてアレルギー対策など、米を見直す機運が広がっているとの報道もございます。まさにこれはイノ米ションではないでしょうか。これまでにない新たな取組や農業の経営規模の大小や中山間地域といった条件にかかわらず、生産基盤を維持・強化していくことで成長し、農業産地として生き残っていくと私は信じております。金さえ出せばいつでも好きなだけ買える、そんな時代は終わりを告げているのではないでしょうか。地域農場を持続可能な農業にするために、その取組や方向性などについて市の考え方をお伺いしたいと思います。 ○議長(松井一男君) 北村農林水産部長。   〔農林水産部長北村清隆君登壇〕 ◎農林水産部長(北村清隆君) まず、長岡市の農業を取り巻く現状と認識についてお答えいたします。米を主産とする本市農業は、近年の高温や豪雨など異常気象による品質の低下や収穫量の減少が繰り返し起きていることに加え、年々減少する米の消費とコロナ禍の影響などにより、例年に比べて過剰な在庫が積み上がるなどの課題に直面しております。そのような中で、令和3年産米は過去最大の作付転換を実施し、需給調整を進めてまいりましたが、結果として米価は下落し、大規模経営体ほど農業経営に支障を来す状況となりました。また、農業者の高齢化による担い手不足が急速に進み、議員御指摘のとおり中山間地域だけでなく、農地集積が進んだ平場の地域でも経営規模の拡大が限界を迎えつつあり、担い手の確保は喫緊の課題であります。市としましては、異常気象に負けない生産体制を構築しながら、需要に応じた米生産と消費拡大、新規就農者の確保・定着などを進め、農業経営の底上げを図ることが重要と認識しております。  次に、耕作放棄地の増加防止に向けた取組についてお答えします。市内の耕作放棄地は、農業者の減少とともに増加傾向にあり、特に中山間地域は耕作放棄地が発生しやすい環境にあります。現在、米の需給調整において大豆や高収益作物などの作付が不向きな中山間地域では、優先して主食用米を作付できる取組を進めております。また、耕作放棄地を未然に防止するため、中山間地域等直接支払交付金や多面的機能支払交付金を活用して農地維持を促すとともに、人・農地プランによる地域の話合いを通じて離農者の農地を地域の担い手に集積・集約するなどの施策に取り組んでおり、今後も農地の有効活用と適切な維持管理を進めてまいります。  最後に、持続可能な農業に向けた取組についてお答えします。これから地域農業を守るためには、次世代に農地と技術や経験をつなぎ、持続できる農業の確立が重要であると考えております。これまで全国有数の米どころとして環境保全型農業にいち早く取り組み、特別栽培米の生産量は全国トップクラスとなり、市場においておいしい米産地として高い評価を得てきました。今後も継続して環境に優しい農業の推進とブランド力の強化を行うとともに、農業を働きやすく魅力ある産業としていくため、スマート農業の普及やECサイトの活用などの農業DXを積極的に進め、地域資源を生かしたバイオエコノミーの推進など議員のおっしゃる新たな農業への挑戦を農業者と一体となって進めることで農業の持続性を高めてまいります。  以上です。          ──────────────────────── △質問項目  一人も置き去りにしないデジタル社会の構築について  3歳児健診における視力検査について ○議長(松井一男君) 次の質問に移ります。  一人も置き去りにしないデジタル社会の構築について、3歳児健診における視力検査について、中村耕一議員。   〔中村耕一君登壇〕 ◆中村耕一君 長岡市公明党の中村耕一でございます。通告に従い、2つの項目について、併用方式にて一般質問をさせていただきます。  最初は、一人も置き去りにしないデジタル社会の構築についてです。世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスコロナ禍は、私たちの暮らしを大きく変えるとともに、日本の抱える課題も浮き彫りにさせました。その中でも、デジタル化の遅れは深刻でした。例えば1人10万円を給付した特別定額給付金は、当初の計画ではオンライン申請の導入で密を避けつつ、迅速な給付を目指すことになっていました。しかし、結果として郵送申請よりも給付が遅滞する自治体が全国で続出しました。また、オンライン申請をめぐっては、申請時に必要となるマイナンバーカードの暗証番号を忘れた人が再設定のために市役所に殺到。窓口で密が発生するという笑えない事態も各地で起こりました。ほかにも、PCR検査を担った保健所では、結果報告をファクスで送ったことから、集計での間違いや遅延が多発するなど、デジタル化の遅れを痛感する事例は枚挙にいとまがありません。そんな中、国では昨年9月にデジタル庁が創設されました。司令塔となる組織が新たに立ち上がることでデジタル社会に向けた挑戦がいよいよ本格的に動き出したと言えるでしょう。
     初めに、来年度の本市のデジタル化に向けた政策について伺います。総務省では、令和2年12月に自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画を策定し、地方自治体におけるデジタル化への対応は喫緊の課題となっています。また、近年の社会全体を取り巻く環境も、ICTの発達、人口減少や少子高齢化、価値観やライフスタイルの多様化など、急速に変化をしております。行政のデジタル化といっても、行政事務をこれまでの紙ベースの申請からオンラインに置き換えれば済むというだけではなくて、データの利活用により、市民に対して利便性とサービスの質を向上しなくてはなりません。人と人とのつながりを大切にし、デジタル技術だけに頼ることのない市民に優しいデジタル化の実現に向け、取り組んでいくべきと思います。  本市において行政デジタルトランスフォーメーションの流れが加速されていくと思いますが、そこでお伺いします。長岡市のデジタル化は、各部局が独自に可能なところから進めていくのでしょうか。それとも司令塔を作って全庁的に統一をして進めていくのでしょうか。また、来年度に行うデジタル化の主な事業にはどんなものがあるのかお伺いいたします。  次に、行政の申請主義の課題及び認識についてお伺いします。市民が受けられる行政サービスを知り、それを自ら申請することでサービスを受けられるという申請主義は、これまでの行政における当然の在り方でした。しかし、それでは社会的弱者と言われる支援が本当に必要な人に届かない場合が少なくありません。長岡市でも市民生活を支えるための様々な施策を実施していますが、制度を知らない人にとってはやっていないのと同じことになってしまいます。私も議員になって市民の皆様と触れる機会が多くなりましたが、必要な施策が市民に届いていないことを実感することが多々ありました。  この申請主義の限界を乗り越えるのが、いわゆるプッシュ型の行政サービスではないでしょうか。国はプッシュ型による情報提供を、一人一人に合った行政機関などからのお知らせを表示する機能と定義しており、マイナンバー制度導入の効果として行政機関から国民にプッシュ型の行政サービスを行うことが可能となることを掲げています。現在、65歳以上の高齢者の3回目ワクチン接種を加速させるために急遽集団接種の日程が追加されました。ホームページやSNS等のデジタル情報での発信はすぐにされましたが、その情報が届かない高齢者も多くいました。もちろん新聞などの媒体を最大限に活用して告知に尽力されてきた市の対応も理解はしているところです。しかし、コロナ禍のような非常事態とも言えるときに紙等のアナログの手法では即応性に欠け、情報伝達の改善を痛感している次第です。  千葉県千葉市では、昨年1月から市が保有する個々の住民データを活用し、がん検診や予防接種、ひとり親家庭などへの医療費助成、上・下水道料金の減免など、特に申請忘れのリスクが高い事業などを個別にLINEで通知する「あなたが使える制度お知らせサービス」というサービスを開始して喜ばれています。  また、子どもの定期予防接種はワクチンの種類が多く、それぞれ回数や対象年齢が異なります。そこで、東京都三鷹市では、2017年7月から「ゆりかごスマイル」を導入しました。これは、複雑な日程を自動管理して、接種日が近づくと該当者に通知メールが届き、妊婦健診や乳幼児健診の案内を受け取ることができるという仕組みで、近年同様の取組をする自治体も増えてまいりました。  社会の変化や家族構成の変化などにより、情報格差が懸念される時代になってきました。これからの行政と市民との関わりは、行政の申請中心の課題解消を目指して、市民からの問合せを待たずに必要なサービスにつなげていくための見直しが重要であり、プッシュ型の行政サービスこそ目指すゴールの1つであると思います。そこで、申請主義の課題にプッシュ型行政サービスに対する認識、また市の今後の方向性を伺います。  この項最後に、今後の長岡市のデジタル戦略について伺います。デジタル化の先行事例としてよく引き合いに出されるのが、北欧の小国エストニアです。人口130万人程度の国で観光以外に目立った産業もないところでしたが、国家の生き残りをかけて行政システムの電子化にかじを切りました。引っ越しを例に取ると、日本の場合は転出届を提出し、転出証明書とともに引っ越し先の自治体窓口に転入届を提出します。このとき、もちろん本人確認の書類は必携です。続いて、電気、ガス、水道、銀行に携帯電話など気がめいるような書類作成と窓口手続の連続です。一方、エストニアでは、オンラインで住所変更をすれば必要な手続は全て完了。もちろん窓口に並ぶ必要はなく、24時間365日いつでも受付可能です。今では、結婚、離婚と不動産取引以外は全てオンラインで完結できる利便性を実現しているそうです。国民の大多数がデジタルツールを使いこなし、キャッシュレス生活を送れるようになったエストニアですが、当初は高齢者や小規模事業者を中心に不安の声が数多く上がっていたそうです。そこで政府は、こうした人たちを1軒1軒訪問して、タブレット端末の操作方法やオンラインでの行政手続について丁寧にサポートしていったのです。こうして手間をかけながら不安を取り除き、納得に変えていったところに成功の鍵があると言われています。この取組は、長岡市にとっても大きなヒントになるのではないでしょうか。行政の効率化や企業の生産性向上にもつながるデジタル化は、地方創生の大きな武器となる可能性を持っています。そのためにも、本市としてデジタル化への環境整備を積極的に進め、その恩恵を享受できる新たな日常を市民の皆さんに実感してもらうのが鍵だと思います。  このコロナ禍で大きく進んだものの1つが、オンラインでの会議や会話だと思っております。私の周りでも、恐らく2年前まではズームなんて言葉を聞いたこともなかったような70代、80代の高齢の方が、和気あいあいと楽しそうにズームでおしゃべりをしているという場面に数々出くわしました。本当にコロナ禍で状況が変わったんだなという感想を持った瞬間です。高齢者にはデジタルなんて無理という固定観念は捨てるべきであり、逆に高齢者には学ぶ時間もあり、興味を示すと向上は早いと考えてもいいのではないでしょうか。  社会全体を取り巻く環境が大きく変化していく中、行政手続や市民への告知方法はもちろん、買物とかオンラインの診療、そして移動手段など、デジタルを活用したサービスは高齢者にとって必須となり、ますます発展していくものと思います。高齢者を含め、全ての市民にデジタル化の利便性を理解してもらい、その恩恵を享受してもらう、これこそが希望あふれる長岡市の未来をつくる基盤になると思うのです。その際に、社会の分断や格差が生まれてはいけません。社会の隅々まで目を行き届かせ、誰一人取り残さないデジタル化を進めるという力強いリーダーシップで取り組むことが必要です。使い方が苦手な高齢者や障害者などの市民を強力に支援していくために小単位でのデジタル講習会を頻繁に開催したり、地域の中でちょっとICTに詳しいデジタルサポーターを配置する。できるなら中学校単位くらいにそのようなデジタルサポーターを育成し、身近なところからデジタル基盤を学び、推進していくための仕組みが本市でも必要ではないかと考えます。  2020年における総務省の通信利用動向調査によれば、全国の年齢階層別インターネット利用率は、13歳から59歳までの各層では9割を超えています。60代では82.7%、70代は59.6%、80代は25.6%と、今後も高齢者のインターネット利用率は上がっていくでしょう。長岡市でも、それに大きく遅れてはいないと思います。この環境を考えれば、私は市内のネット環境のない世帯にはタブレットを貸与して、全市民にデジタル環境に慣れてもらうくらいの思い切ったことをやってもよいのではないかなと思っております。  市長は市政執行方針の中で、長岡市は選ばれるまちになるため、住む人の満足度や生活の質の向上を図っていくと述べられましたが、その方針に私は賛同するものであります。ハードやソフトの充実、人を呼び込むためのイベント等の開催も大事ですが、住んでいる市民の満足度を高め、長岡市は住みやすいと思ってくれる市民が増えていくことが最重要だと思うからです。就任以来一貫して長岡版イノベーションを訴えてこられたのも市長であり、デジタル化に対しては深い思い入れもあるものと感じています。  そこで、誰一人取り残すことなく利便性を享受できるデジタル化の推進をこれからのまちづくりの中核に据えるべきと考えますが、いかがでしょうか。また、誰一人取り残さないデジタル化社会に向けた方策についてお伺いをいたします。 ○議長(松井一男君) 磯田市長。   〔市長磯田達伸君登壇〕 ◎市長(磯田達伸君) ただいまの中村議員の御質問にお答えいたします。私からは、今後の本市におけるデジタル戦略についてお答え申し上げたいと思います。  行政サービスのあらゆる分野においてこのデジタル技術を活用していくということは、まさにこれからの市民生活の利便性向上を実現し、市民の満足度を高める、そして選ばれるまちづくりを実現していくその根幹となる施策であると認識しております。  行政のDX、デジタルトランスフォーメーションでは、市民目線に立ったオンラインサービスの拡充に取り組み、市民に個々の最適な情報をプッシュ型で提供するなど、生活に身近な行政サービスの利便性向上を図ってまいります。また、行政事務を徹底的に見直して、事務の自動化等により生ずる資源を地域住民に寄り添う行政サービスに活用していくと。そして、社会変化にしっかりと対応しながら選ばれるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。  デジタル技術の活用拡大に当たっては、情報機器の操作の得手、不得手等の情報格差が広がることのないように、きめ細やかな対応が必要であると認識しております。市では、地域でのスマートフォン操作講習会の開催等の対策を講じているところでありますが、今後も引き続き生活に身近な場所での支援などによって、全ての市民を誰一人取り残すことなくデジタル化の恩恵を享受できる環境を整備してまいりたいと考えているところであります。以上が用意した答弁の内容でありまして、中村議員のお話や、またエストニアの事例なども伺いながら、ある意味近未来的な生活環境といいますか、生活の利便性の実現という世界でもある一方で、まさに今の市の課題でもあるという認識を持ったわけであります。  そういう中で、どうしてもデジタルというとキーボードで何かを操作するのが難しいということで、スマホでいこうと。しかし、スマホも高齢者にはなかなか難しいというふうになればもう顔認証で、そこで何かしら御本人の表情や言葉によって訴えていることを理解して、AIでそれを分析し、理解して必要なサービスを届けていくということは、現実として今ほぼ可能な技術なんだろうなというふうに思っております。そういう意味では、まず国の行政のいろいろな基幹システムの徹底的な見直しといいますか、標準化がなされて、あらゆる手続が場合によっては自動的にプッシュ型で提供できるような、そういう変化といいますか、変革が求められているように思っているわけであります。長岡市としてもまず御提案のあったデジタルによる、あらゆる場面でデジタルを活用して利便性を向上していく、そして誰一人取り残すことなくそれが享受できるというものを長岡市政の大きな目標にしながら、新年度からこのDX、デジタル化についてはとりわけ力を入れて取り組んでいきたいと考えております。  私からは以上でありまして、残りの質問につきましては総務部長からお答え申し上げます。 ○議長(松井一男君) 近藤総務部長。   〔総務部長近藤信行君登壇〕 ◎総務部長(近藤信行君) 残りの質問についてお答えいたします。  まず、来年度のデジタル化に向けた政策についてでございます。当市では、新たな発想を取り入れ、新しい価値を創造する長岡版イノベーションを長岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略の共通の視点に位置づけ、デジタル技術による市民生活の向上や行政事務の効率化に取り組んでおります。今年度からはデジタル行政推進課が司令塔を担い、全庁各課にDX推進担当者を配置するなど、体制を強化して行政のデジタル化の推進を図っております。来年度は、行政DX推進担当部長を新たに配置し、推進体制をさらに強化いたします。来年度の主な取組といたしましては、デジタル社会の基盤となるマイナンバーカードの普及と利便性の向上を図るため、今年3月1日に増設した交付の窓口に加えまして、出張申請や機器操作が不得手な方々が様々なサービスを受けるために必要な支援、マイナンバーカード対応の申請手続システムの導入を図りますほか、新たにオンライン診療の勉強会を開催するなど、デジタル技術を活用した市民生活の向上に積極的に取り組んでまいります。  次に、行政の申請主義の課題認識についてでございますが、市役所に来庁しての申請手続は、開庁時間に時間を取りづらい方、あるいは庁舎までの移動が困難な方などに御不便をおかけして、さらには感染症のリスクもあると認識しておりまして、オンラインによる市民対応や電子申請など非来庁型、非接触型の行政サービスの必要性を感じております。市では、約7万1,000人が登録している市公式LINEにより、新型コロナウイルスの感染状況や先ほど御案内のありましたワクチンに関する情報をプッシュ型でお知らせしているほか、利用者のニーズに合わせて子育てについてやごみの収集日、防災気象など、暮らしに役立つ情報を随時配信しております。プッシュ型の情報提供サービスは、真にサービスの提供が必要な住民に対し漏れなく情報を提供し、申請忘れをなくすためにも有効な手段と考えておりますので、先ほど議員から御紹介のあった他自治体の事例なども参考にしながら、今後さらにサービスを拡充してまいりたいと思います。  以上です。 ○議長(松井一男君) 中村耕一議員。   〔中村耕一君登壇〕 ◆中村耕一君 御答弁ありがとうございました。  次の項目に移ります。3歳児健診における視力検査についてお伺いします。子どもの50人に1人が弱視であるとされています。弱視という言葉は、医学的には視力の発達が障害されて起きた低視力を指し、眼鏡をかけてもよく見えない状態をいいます。日本眼科学会のホームページによると、もともと人間は生まれたときからはっきり物が見えているわけではなく、生まれた後に外界からの適切な視覚刺激を受けることによって発達するのだそうです。  平成29年4月7日付の厚生労働省通知の「3歳児健康診査における視力検査の実施について」の中に、子どもの目の機能は生まれてから発達を続け、6歳までにほぼ完成しますが、3歳児健康診査において強い屈折異常や斜視が見逃された場合に治療が遅れ、十分な視力が得られないとの指摘がありました。正常な発達が妨げられると弱視になります。しかし、視力の発達時期に早期治療を開始することで視力の大幅な回復が期待されているそうです。その意味で、3歳児健診は弱視を発見し、治療につなげる大切な機会とも言えます。しかしながら、現状ではその診断は保護者による幼児の視力検査に頼っているために、屈折異常による弱視を見逃すケースが多いことが問題になっているとお聞きしております。  そこで、長岡市で行われている3歳児健診での視力検査について、その内容と課題についてお伺いをいたします。 ○議長(松井一男君) 水島子ども未来部長。   〔子ども未来部長水島幸枝君登壇〕 ◎子ども未来部長(水島幸枝君) 3歳児健診における視力検査につきましては、子どもの視力の発達を阻害する疾病の早期発見及び早期治療を目的に実施しております。現在、事前に御家庭で実施いただくランドルト環、アルファベットのCのようなマークを用いた視力検査の結果とお子さんの目の状態に関するアンケートにより、健診に従事する医師が診断をしております。診断の結果、さらに詳しく検査する必要があるお子さんにつきましては、4歳になるまでの間に専門医療機関で精密検査を実施するよう依頼し、その結果を市や医療機関、保護者で共有しながら継続した支援を行っております。  なお、御家庭での事前検査におきましては、お子さんが嫌がったり、集中できずうまくいかないというケースもございますので、これらが課題であると認識をしております。 ○議長(松井一男君) 中村耕一議員。   〔中村耕一君登壇〕 ◆中村耕一君 ありがとうございました。検査については丁寧な対応をされているようですが、やはり基本は保護者による視力検査が中心になっているのは間違いないと思います。  日本眼科学会によると、弱視の子どもはもともと見えにくい状況が当たり前として育っているために、見えないとか見えにくいというように訴えることがほとんどないそうです。また、片目だけ弱視の場合は、片方の目が見えているともう一方の異常に子ども自身も保護者も気づきにくいということがあって、視力検査がうまくできずに異常を見逃す可能性もあり、そのような場合に検査をすり抜けてしまうこともあるそうです。  3歳児健診以降は、就学前までの健診の機会が制度化されていないために、この3歳児での屈折異常の見落としは生涯にわたる視覚障害となるおそれがあります。また、視力検査のみではなくて、近視、遠視、乱視、不同視、斜視、瞳孔不同などを見つける機会でもあり、その際の屈折異常検査の大切さについて保護者へさらなる啓発が必要と考えます。3歳児健診での視力検査は、治療を開始できるか否かを決める重要な節目でもありますし、この機会を逃すことで治療が遅れ、十分な視力が得られなくなるということを全ての保護者にきちんと知ってもらいたいと思います。そのために通常の視力検査だけではなくて、屈折異常検査の必要性を啓発し、周知を図っていく必要があると思います。  そこで、保護者への3歳児健診での視力検査と屈折異常検査の重要性の周知、啓発については現在どのようにされているのでしょうか。また、その重要性についてどのように認識しているのかをお伺いいたします。 ○議長(松井一男君) 水島子ども未来部長。   〔子ども未来部長水島幸枝君登壇〕 ◎子ども未来部長(水島幸枝君) 保護者への周知及び啓発についてですが、市といたしましては子どもの弱視を早期に発見し、治療に結びつけることがその後の健やかな成長にとって何より大切であると認識をしております。このため、視力が急速に発達する時期である3歳児健診の機会を捉え、保護者に対しましては保健師との面談を通じまして視力検査の重要性をしっかり説明させていただいているところです。  今後につきましては、健診時での説明に加え、LINEや子育てアプリ、ホームページ等を活用し、保護者へ3歳児健診における視力検査の重要性を伝えるとともに、子どもの発達や弱視についても広く周知をしてまいりたいと考えております。 ○議長(松井一男君) 中村耕一議員。   〔中村耕一君登壇〕 ◆中村耕一君 ありがとうございます。保護者の視力検査に対する認識不足によって、弱視を発見し治療につなげる大切な機会を見逃すことがないようによろしくお願いします。  現状では、保護者による幼児の視力検査に頼っているために、どうしても屈折異常による弱視を見逃すケースが起こってしまいます。そんな中、近年は医療機器製造技術の発達でハンディータイプの屈折検査機器が生産され、弱視の主な原因となる屈折異常や斜視のスクリーニングが幼児への負担なく、短時間で簡便に実施できるようになってまいりました。日本小児眼科学会では、3歳児健診で視力検査に加えてフォトスクリーナー等を用いた屈折検査の実施を推奨しております。それは、カメラで撮影するように子どもの目元を映し出し、屈折異常や斜視などの両目の状態を発見するスクリーニングの効果も高くて、母親の膝に乗ったままでも検査が可能で、受診者の負担が少ないことが特徴と言われております。短時間で負担もなく検査でき、眼科医や視能訓練士などの専門職でない方でも検査を実施することが可能です。子どもたちの負担もなく検査を受けることができ、導入している自治体も増えてきております。本市としても、現行の3歳児健診における視力検査に加え、屈折検査の実施は不可欠だと思います。この重要な屈折検査ですが、これまで本市をはじめ多くの自治体では実施してまいりませんでした。どのような理由によって行ってこなかったのでしょうか。そして、子どもの目の異常を早期発見し、視力の健全な発育を図るべく、3歳児健診の視力検査において本市でも屈折検査機器を導入して屈折検査をする必要があると思いますが、いかがでしょうか。本市のお考えをお伺いいたします。 ○議長(松井一男君) 水島子ども未来部長。   〔子ども未来部長水島幸枝君登壇〕 ◎子ども未来部長(水島幸枝君) 屈折検査機器を導入していない理由ですが、これまでは医療機関にあるような据置き型の機器であったことから、専用の検査スペースと専門のオペレーターを確保する必要があったことによるものです。御紹介いただきましたように、近年は簡便な検査機器が開発されたことから、県内でも幾つかの自治体で屈折検査を開始しております。当市といたしましても、3歳児健診における視力検査の精度向上を図るため、会場や体制などの環境整備、実施者の研修など、医師会とも相談しながら屈折検査機器の導入についてしっかりと検討してまいります。  以上です。          ────────────※─────────── ○議長(松井一男君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。  本日は、これをもって散会いたします。   午後3時30分散会          ────────────※───────────  地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。                        長岡市議会議長  松 井 一 男                        長岡市議会議員  高 野 正 義                        長岡市議会議員  五 井 文 雄...